二人は甘い初恋関係
「そんな、まさか!私が律矢にチョコだなんて、ないない!今まで一度も渡したことないよ。」


「一度も…?」


「うん。律矢とはサバサバした男友達みたいな関係だし、それに…私自身、あんまりバレンタインとか興味ないんだよね。」


「…そっか。」


眞田さんの場合、チョコを渡す側っていうより、貰う側だよね…。


女の子にモテそうなタイプだもん…。


心の中で頷いていると、眞田さんが口元を柔らかく緩めた。


「もしかして、小春川さん…律矢へのバレンタインチョコ、前向きに検討中…?」


「えっ!?」


「私が律矢にチョコを渡してるかどうか聞いた…ってことは、律矢の反応とか知りたかったのかな…って思って。」


確かに、そうだよね…。


最初から“渡さない”って決めてたら、こんなこと…わざわざ眞田さんに聞かないと思うし…。


私ってば分かりやす過ぎるっ…!


途端に恥ずかしさで顔が熱くなってしまった。


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