二人は甘い初恋関係
ほのかな期待と強い決意《律矢side》
小春川に告白する。
たとえ、戸惑わせることになるとしても、自分の気持ちをきちんと伝えておきたい。
佳織に背中を押される形で、決意を固めた俺だったけれど…
「あのさ、小春川…。」
「はい…。」
「あ、えっと…悪い。今のナシ。何でもないんだ、ごめん。」
「う、うん…。」
いざ、小春川に告白しようとすると、以前にも増して緊張感が押し寄せる。
顔が熱くなってきて、照れくさくなって、結局…“何でもない”って言ったり、別の他愛ない話題に切り替えちまうんだ。
“好き”
たった二文字だけだってのに、なんで…小春川を目の前にすると、言えなくなるんだよ。
言葉にしたいのに、言葉に出来ないもどかしさ。
告白に苦戦する日々は、あっという間に過ぎていく。
どうすれば、緊張せずに伝えられる…?
解決方法が見いだせずにいた、2月のある日のことだった。