二人は甘い初恋関係
グラリと視界が揺れる。
えっ…。
今の、立ちくらみ?
直ぐにおさまったものの、冷や汗がツーッと背中をつたった。
「小春川さん、どうしたの…?」
「い、いえ…。何でもないです。」
先生に声を掛けられて、咄嗟に首を横に振った私だったけど、またクラッと視界が少し傾く。
なんだか、気分…悪くなってきた。
フワフワする足元。
ドクドクと早鐘を打つように速い心拍数。
それでも、なんとか挨拶を済ませようと気合いを入れて、少し顔を上げた瞬間…。
「あっ……」
今度はグワンと大きく揺れた視界。
バランスを崩して、立っていられなくなった私の体は傾いていく。
まるで、スローモーションのように。
クラスの人たちの驚く声や動揺する声が聞こえる中、私の意識はプツリと途絶えてしまった。