二人は甘い初恋関係
「お前、最近…溜め息が多くね?」
「は?」
日曜日の午後。
貸してほしいCDがあるから…とアポなしで俺の家にやってきた千景。
ズカズカと勝手に俺の部屋に入るなり、ポツリと零した言葉に、思わず鋭い声を返した。
「何だよ、いきなり。」
「だって、事実じゃん。さっき、玄関先に出て来た時だって盛大な溜め息ついてたじゃねぇか。」
「それは、千景がいきなり押しかけてきてムカついたからだっての。」
「いや、今日に限ったことじゃねぇよ。ここのところ、学校の廊下ですれ違った時とか、休み時間に会った時とか、色んな場面で溜め息ついてるぞ?」
「ふーん…。」
俺、そんなに溜め息ついてんのか。
自覚がなかっただけに、少し驚いてしまった。