二人は甘い初恋関係
「だけど、告白…あまり先延ばしにするのは、ヤバいかも。」
「なんだよ、急に真剣な顔して。」
「実は、近いうちに小春ちゃんに告白しそうな男が俺のクラスにいるんだよ。」
「だ、誰だよ…ソイツ。」
声に力が入る。
本当、小春川のことに関しては反応が分かりやすいな、俺。
「えっと、野球部の村澤ってヤツ。俺らと同じ中学じゃなかったから、お前…知らないと思うぜ?わりとカッコいいから女子にもモテてるよ。まあ、律矢ほどじゃねぇけど。」
「ふーん…。」
確かに、名前も知らないし、顔も知らないヤツだ。
小春川に告白しようとしてるヤツがいる…ってだけで、ムカつく。
自然と眉間にシワが寄るのを感じた。
「なんかさ、小春ちゃんのこと…最近気になってるらしいんだよ。前に廊下ですれ違ったことあるらしくて、その時に一目惚れしたらしい。」
「…………。」
勝手に一目惚れしてんじゃねぇよ。
思わず、イラつく気持ちを声に出したかったが、千景に対して言っても仕方がないので、グッと言葉を飲み込んだ。