二人は甘い初恋関係
支度をして、マンションの入り口へと向かう。
いつも、朝…水城君が待ってくれている場所。
でも、そこにいたのは眞田さんだった。
「小春川さん、おはよう。」
「お、おはよう…。」
少しビックリしてしまい、ぎこちない声が出る。
表情にも出ていたのか、眞田さんは気まずそうに笑った。
「律矢じゃなかったから驚いたでしょ?ごめんね…。」
「そ、そんな…眞田さんが謝ることじゃないよ。えっと、水城君は…?」
「それが、律矢の家の前に…出待ちしてる女の子が何人もいるみたいなの。」
「えっ、出待ち…!?」
「うん。他校の女の子たちが、学校に行く前に律矢にバレンタインチョコを渡そうと思って待ってるみたい。多分、同じ中学だった女の子たちじゃないかな…。」
「そ、そうなんだ…。」
朝から、水城君の家までチョコを渡しに来るんだ…。
ただただ驚いてしまった。