二人は甘い初恋関係
「律矢が言う“警戒”っていうのは、小春川さんの解釈とは、ちょっと違うと思うよ?」
「えっ?」
解釈が違う…??
頭の中に、いくつもの疑問符がフヨフヨと漂う。
思わず、首を傾げた。
「小春川さんって、本当…可愛いね!そのホンワカな雰囲気に癒されちゃう。」
「いやいや、私…癒すとか、そんな要素は何も無いよ!」
「ううん、癒し系だよ…小春川さん!私なんてサバサバしてるから、憧れるなぁ…。」
そこまで言われると恥ずかしい…。
顔が熱くなるのを感じた。
「あっ、そろそろ学校行かなくちゃ…だよね。小春川さん、行こっか!」
「う、うん…!」
眞田さんと並んで歩き始める。
結局、水城君の言う“警戒”の意味は分からないままだけど、まあ…いっか。
普通に過ごせば、特に何事もなく一日が終わっていくだろうし…。
それよりも、チョコ…水城君にいつ渡そうかな。
休み時間、お昼休み、放課後…。
色々と時間はあるし、どこかで渡せるタイミングがあるよね…。
この時の私は、そう前向きに考えていた。