二人は甘い初恋関係
「あ、眞田さん!」
突然、後ろから飛んできた声。
反射的に二人で振り向くと、担任の垣内先生がこちらに駆け寄ってくる姿が映った。
「先生、どうしたんですか?」
「確か…眞田さんって、今日…日直だったよね
?」
「は、はい…。」
「悪いんだけど、少し手伝ってもらいたいことがあるの。このまま職員室に来てくれる?そんなに時間はとらせないから…。」
パンッと両手を合わせてお願いをする先生に、眞田さんは笑顔で頷く。
「分かりました…!」
「ありがとう、とっても助かるわ…!」
嬉しそうな先生を見ていると、眞田さんが私の方に視線を向けた。
「あっ…!それじゃあ、小春川さん…先に教室に戻って?」
「わ、私も手伝うよ…。」
「ううん、いいよいいよ…。きっと、私一人いれば大丈夫なんだと思うし…。それに…」
眞田さんは私の耳元に顔を近付ける。
「律矢、教室で小春川さんを待ってるかもしれないから、早く行った方がいいよ。」
囁かれた言葉に、ドキン…と胸が高鳴った。