二人は甘い初恋関係
「うん、ありがとう…眞田さん!」
ニコリと笑顔を見せる眞田さんにお礼を言って、足早に歩き出す。
いよいよ、水城君にチョコを渡す時がやって来たんだ…。
もう、女の子たちに囲まれてないかな…?
うわぁ…、だんだん緊張が増してきたよ…。
ドキドキしている胸元をさする。
突き当たりの廊下の角を曲がれば、1年1組の教室だ…。
あと少し…。
そう思いながら、駆け足気味で教室へと向かっていた時…。
「………。」
突き当たりの廊下を曲がって、こちらに向かって歩いてくる3人の女の子。
みんな楽しそうに会話をしている。
その真ん中にいる女の子に見覚えがあった私は、思わず足を止めてしまった。
あの子、確か…。
転校してくる前日に学校に来た時、水城君とキスしてた子だ…。
蘇る、あの日の光景。
胸がズキンと痛んだ。