二人は甘い初恋関係

「うん、ありがとう…眞田さん!」


ニコリと笑顔を見せる眞田さんにお礼を言って、足早に歩き出す。


いよいよ、水城君にチョコを渡す時がやって来たんだ…。


もう、女の子たちに囲まれてないかな…?


うわぁ…、だんだん緊張が増してきたよ…。


ドキドキしている胸元をさする。


突き当たりの廊下の角を曲がれば、1年1組の教室だ…。


あと少し…。


そう思いながら、駆け足気味で教室へと向かっていた時…。


「………。」


突き当たりの廊下を曲がって、こちらに向かって歩いてくる3人の女の子。


みんな楽しそうに会話をしている。
 

その真ん中にいる女の子に見覚えがあった私は、思わず足を止めてしまった。


あの子、確か…。


転校してくる前日に学校に来た時、水城君とキスしてた子だ…。


蘇る、あの日の光景。


胸がズキンと痛んだ。


< 234 / 322 >

この作品をシェア

pagetop