二人は甘い初恋関係
誰のものでもない…か。
確かに、そうだよね…。
私…水城君の彼女じゃないのに、登下校を一緒にしたり、お昼ご飯を食べたり、勉強…教え合ったり、休み時間に色んな会話をしたりしてた…。
でも、それって…水城君ファンの女の子たちからすれば、すごく不愉快なことだよね…。
迷惑がられるのも当然だ。
前に水城君から“特別”って言われて、嬉しくて、ドキドキして、恋をしてることに気付いた。
今は、“男の子に慣れるため”っていう名目の友達関係だけど、だんだん仲良くなって、そして両想いになれたらいいな…なんて思っていた。
そんな風に、自分のことばかり考えていて、周りが見えてなかったんだ。
他にも、水城君が好きな女の子はいっぱいいる。
みんな、水城君と接したいって思ってる。
それなのに、私…。
水城君を独り占めしちゃってた。
図々しいにも程があるよね…。
胸が何かに掴まれたかのように苦しくなる。
キュッと唇を噛みしめたまま、重い足取りで教室へと向かった。