二人は甘い初恋関係

思ってもみなかった告白


1年1組の教室。


クラスの人たちがチラホラと残って、お喋りをしているけれど水城君はいない。


今日、女の子たちからのチョコを断るの…大変そうだったし、疲れて帰っちゃったのかな…。


良かった…。


今、水城君とどんな顔して会えばいいのか分からなかったから、少しホッとした…。


トボトボと自分の席にやって来た私は、手早く帰り支度を済ませる。


俯きながら教室を出た時だった。



「あのっ、小春川さん…?」


呼び止められて顔を上げる。


声の方向に視線を向けると、そこには知らない男の子が立っていた。


「えっと、あなたは…」


「あっ、初めまして。俺…1年7組の村澤って言います。」


「は、初めまして……。」


ぎこちなくお辞儀をする。


確か、水城君の友達の有川君も7組だったよね…。


あの時、いきなり話し掛けられてビックリしたり戸惑ったっけ。


今回も…やっぱり同じだ。


声も固くなってるし、ソワソワしちゃう。


水城君以外の男の子と接するのは、まだまだ上手くいかないよ…。


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