二人は甘い初恋関係
「えっと、ど…どうしてあなたがここに……」
男の子と目が合わないよう、視線を逸らして訊ねる。
「俺、保健委員だから。倒れた小春川をここまで運んで来た。」
「で、でも…どうして3組のあなたが…」
「あー、昨日は…たまたま3組の教室にいただけ。俺は1組の住人だから。」
そ、そうだったのか…。
だから、私が“小春川”だって知ってたんだ…。
私が挨拶する前に、垣内先生が私の名字を言ってたのを聞いてたから…。
ん…?
そう言えば、この人…私をここまで運んで来たって言ったよね…!?
…………。
「すっ、すっ…すみませんでした…!ご迷惑をお掛けしてしまって…!」
恥ずかしさやら申し訳なさで、顔が熱くなる。
キュッと唇を噛みしめた。