二人は甘い初恋関係

真っ直ぐな視線。


私は、まともに見れなくて直ぐ目を逸らす。


「えっと、話したいことがあるって言われて、この空き教室で言いたいっていうことだったから…。」


「小春川、さっきの男と面識…ないよな？」


「うん、初対面…。」


水城君の質問の意図が分からないまま、小さな声で答えた。


「あのさ、男に対する苦手意識を克服するのはいいけど、無理すんなよ？」


「えっ…」


「さっきの男と初対面だったわけだろ？話がある…って言われてここに来る時、小春川…不安だったんじゃねぇか？」


「…………。」


どうして、水城君は私の気持ちが分かるんだろう…。


胸がいっぱいになる。


「克服なんて、急いで頑張ることねぇよ。それに…男も色んなヤツいるから、少し警戒した方がいい…。苦手意識が今より強くなったら、小春川も辛いだろうからさ。」


そう言って、水城君はポンポンと私の頭を撫でた。




「気を許すの、俺だけにしといて…。」