二人は甘い初恋関係
優しすぎるよ…。
言葉も、気遣ってくれる温かい気持ちも…。
水城君は、とてもとても優しい。
でも…水城君はみんなの水城君なんだから、私だけが傍で、この優しさに甘えていいはずがない…。
私は、俯き加減で思いきって口を開いた。
「水城君…。」
「ん?」
「もう…友達として協力してくれなくても大丈夫だよ…。」
「えっ?」
「私、水城君のおかげで少しずつだけど苦手意識も薄れてきている気がするから…。ずっと迷惑かけられないし、一人で頑張るよ…。」
少し震えてしまった小さな声。
静かな教室に響く。
「なんで、急に…そんなこと言うの?」
水城君からは、そんな質問が少し低いトーンの声で飛んできた。
「俺、迷惑だなんて思ってねぇよ?前に言っただろ?“小春川は特別”って…。」
「だ、だけど…私ばかり水城君と親しくするのは良くないと思うから…。ファンの女の子たちもたくさんいるし、水城君は…みんなの水城君だもん…。」
そう口にした瞬間、胸にズキンと痛みが走る。
ジワリと視界が滲んだ。