二人は甘い初恋関係
「俺、“みんなの水城君”じゃないよ。そんな存在でいるつもりないし…。他の女子なんてどうでも良いから、小春川だけの俺でいたい…。
」
「えっ……」
ゆっくり顔を上げる。
目に映ったのは、真剣な表情の水城君。
「俺が親しく接したいのは、小春川だけ。誰でも…ってわけじゃない。小春川だから、色んな会話したいし、一緒にいたいって思える。」
少し間を置いてから、水城君は再び口を開いた。
「俺、小春川のことが好きなんだ…。」
「…………。」
突然の言葉に目を見開いた私。
一瞬、時間が止まってしまったんじゃないかと思うほど、驚いてしまった。
「傍にいるうちに、だんだん惹かれていった。小春川といると、今まで女に対して抱いたことのない、温かい気持ちや優しい気持ちでいっぱいになる。すごく居心地がいいんだ…。」
水城君はフワリと笑みを浮かべる。
その優しい表情に反応するかのように、心臓が跳ね上がった。
「だから、俺の彼女になって欲しい…。」
少し赤くなった水城君の頬。
温かみを帯びた声が、全身を駆け抜けていくのを感じた。