二人は甘い初恋関係
「小春川…?」
心配そうに声を掛ける水城君。
私は、一度…頭を下げた後、震える唇をゆっくりと開けた。
「ご、ごめんなさい…。」
そう口にするのが精一杯で…。
込み上げる涙を必死に堪えた。
「………そっか。」
水城君は小さく呟く。
「いきなり告白したりして、ごめんな…。」
私の手首を掴んでいた水城君の手がスルリと離れる。
気まずくて、どうしたらいいのか分からなくて、私は逃げるように教室を飛び出した。
視界が滲む中、廊下を走って校舎を出る。
家へと続く帰り道。
息をきらしながら走っていた時、何かにつまづいてバランスを崩した私。
なんとか転倒は避けたものの、手に持っていた紙袋を落としてしまった。