二人は甘い初恋関係
「勝手に部屋に入るなよ。それに、俺は…お前らと話をするような気分じゃねぇんだよ。」


早々に追い出してやろうとしたけれど、二人ともドカッとカーペットに座って出て行こうとしない。


眉をしかめると、千景がポンポンとカーペットを軽く叩いた。


「律矢、そんなところに立ってないで、とりあえずココに座れよ。な?」


この部屋は、お前の部屋じゃねぇんだぞ。


イライラしながらも仕方なく座った俺に、千景は躊躇い気味に口を開いた。


「あのさ、ストレートに聞くんだけど、律矢…もしかして、小春ちゃんにフラれた…?」


「お前、本当に直球だな。」


「いや、だって回りくどく聞くのも面倒だからさ…。」


まあ、確かに。


その方が、余計に腹立ちそうだ…。


「んで、どうなの?」


「……ああ、フラれたよ。告白したけど、“ごめんなさい”って言われた…。」


あの光景を思い出すだけでもキツい…。


「そっか…。ごめんな、俺が告白を先延ばしにするのはヤバいって、律矢を急かしたりしたから…。しかも、小春ちゃんから告白されるかも…みたいなことまで言っちまったし…。」


沈んだトーンで申し訳なさそうに謝る千景。


俺は首を横に振った。




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