二人は甘い初恋関係

「佳織ちゃん、それって…マジ!?」


俺と同様、千景も驚いているみたいだ。


「うん…。実は、小春川さん…バレンタインの一週間くらい前から、律矢にチョコ渡すの前向きに検討してたんだよね…。その時は“友達としてお世話になってるから”って言ってたんだ。だから、友チョコかな…って思ってたんだけど…」


「けど、何だよ。」


「バレンタイン当日に、小春川さんが言ってたんだよね、“律矢に渡せるように頑張ってみる”…って。その時の表情、キラキラ輝いていて、ちょっと頬が赤くなってるところが可愛くて…。私には…友チョコっていうよりも、本命チョコを渡すように見えたんだ…。」


「ほ、本命…!?」


その小春川の表情、俺も見たかったんですけど…。


本命って、それ…嬉し過ぎるだろ。


一瞬、舞い上がってしまった俺だったけど、直ぐに現実へと引き戻された。


「でも、今のは佳織の推測だろ?」


「女の勘は結構鋭いんだから!わりと、当たったりするもんなんだよ?」


確かに、その通りだと思うけど…今回は違う気がするんだよな。


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