二人は甘い初恋関係
「俺の予感は的中か…。村澤のヤツ、行動力あるな。」


「ああ、さすがに焦った。あと一歩遅かったら…って思うと、かなり複雑な心境だし。」


俺は小さく溜め息を漏らした。


「……んで、どうする?小春ちゃんに事情を聞くのが一番の近道だけど…」


「仮に千景君の想像通りだったとしたら、小春川さん…本当のこと話してくれない気がする…。律矢に迷惑かけると思っちゃうんじゃないかな…。律矢もそう思うでしょ?」


二人の視線が俺に向けられる。


心配そうな表情を見せる千景と佳織を見ながら、俺は口を開いた。


「……そうだな。確証があるわけじゃないし、小春川には何も聞かないでおく…。つーか、俺…いつまでも沈みっぱなしじゃダメだな。気持ち、切り替えねぇと。」


「えっ、切り替える!?ちょっと待てよ、律矢!そんな簡単に、小春ちゃんのこと吹っ切るのかよ…!」


瞬きを繰り返しながら驚く千景。


その頭をパシッと軽く叩いた。


「勝手な勘違いすんな。俺は小春川のこと、絶対に諦めねぇよ…。諦められるわけねぇだろ、好きなんだから。」


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