二人は甘い初恋関係

翌朝。


教室に入った俺は、自分の席に行く前に小春川のところへと向かった。


「小春川、おはよう…。」


数日ぶりの挨拶。


だけど、かなり久々のように感じてしまった。


「あっ……。」


席に座って本を読んでいた小春川は、突然…俺が声を掛けたためか、ビクッと肩を震わせて驚く。


少しの間、瞬きを繰り返して固まっていたけれど…


「お、おはよう…。」


小さな声ながらも、そう言ってくれた。


視線は逸らされちまったけど、挨拶…返ってきて良かった…。


自分の席に着いた俺は、少し笑みが零れる。


もしかしたら、何も言葉を返してもらえず、避けられるんじゃないか…と少し不安だっただけに、ホッと胸を撫で下ろしている自分がいた。


こんな感じで、まずは挨拶から交わしていけばいいよな…。


心の中で強く頷いた。



< 259 / 322 >

この作品をシェア

pagetop