二人は甘い初恋関係
翌朝。
教室に入った俺は、自分の席に行く前に小春川のところへと向かった。
「小春川、おはよう…。」
数日ぶりの挨拶。
だけど、かなり久々のように感じてしまった。
「あっ……。」
席に座って本を読んでいた小春川は、突然…俺が声を掛けたためか、ビクッと肩を震わせて驚く。
少しの間、瞬きを繰り返して固まっていたけれど…
「お、おはよう…。」
小さな声ながらも、そう言ってくれた。
視線は逸らされちまったけど、挨拶…返ってきて良かった…。
自分の席に着いた俺は、少し笑みが零れる。
もしかしたら、何も言葉を返してもらえず、避けられるんじゃないか…と少し不安だっただけに、ホッと胸を撫で下ろしている自分がいた。
こんな感じで、まずは挨拶から交わしていけばいいよな…。
心の中で強く頷いた。