二人は甘い初恋関係
「そう言えば、話…変わるんだけどさぁ~」
少し開いている保健室の扉の隙間から漏れて来た女の声。
俺は、足をピタリと止めた。
なんだよ、保健室に誰かいるじゃねぇか…。
しかも、女…。
色々と話し掛けられたりしそうだし、面倒な予感…。
ここまで来れば、消毒薬や絆創膏のある場所は説明出来るし、千景に教えて先に帰ろうかな…。
そう考えていると……
「小春川さん、最近…また律矢君と馴れ馴れしく話してるよね。」
聞こえてきた言葉に、ピクリと反応してしまった。
小春川の話…?
千景と顔を見合わせた後、扉の隙間から中を覗く。
すると、窓際で3人の女子が立ち話をしている姿が目に映った。
「そうそう、私も見た…!朝とか普通に挨拶してるし。全く…律矢君のファン代表として、わざわざ忠告してあげたっていうのに、また会話してるなんて、いい度胸だよね。」
「大人しそうな顔して、意外と神経が図太いよね、あの子。」
忠告…?