二人は甘い初恋関係
「ねぇ、あれじゃ生温かったんじゃない?」
「そうだよ!バレンタインの時よりも、もっとキツく言うべきだって!」
「……そうだね。明日にでも呼び出して警告しよっか!」
“バレンタインの時より”って……。
「律矢…。もしかして、俺の想像が当たってた…ってことじゃねぇか?」
「……ああ。」
沸々と込み上げる怒り。
面白そうに話す姿を見ていたら我慢できなくて、俺はバンッと勢いよく扉を開けた。
大きな音に目を見開いて驚く女たちを鋭く睨みつける。
「今の話、詳しく聞きたいんだけど。」
普段、あまり出さないような低い声が口から飛び出した。
「えっ、律矢君っ……」
3人の女の中の1人が、動揺した声を零す。
かなり明るい茶髪のショートヘアの女。
ん…?
この女、なんか…見覚えがあるような…。