二人は甘い初恋関係
「律矢、コイツら…3組の女子だぜ?その茶髪ショートの鈴木って女、お前をカラオケに誘ってたことあるじゃん。」
千景からコッソリと耳打ちされた俺は、小さく頷いた。
ああ、そうか…。
名前は知らねぇけど、この女…1月の始業式前日にキスしろ…とか言ってきたヤツか。
それ以前にも、何度かカラオケに誘われたりして、うざかったんだよな…。
しつこいから、仕方なく誘いに乗ったこともあったんだっけ…。
正直、苦痛な記憶でしかない。
「い、今の話って……なんのこと?」
アタフタしながら、茶髪の女は言葉を返す。
この期に及んで、とぼけるとか…有り得ねぇ。
思いっきり眉をしかめた。
「小春川の話、してたよな?バレンタインの日、小春川に何を忠告したわけ?」
冷めた目で女を見下ろす。
俺の怒りが尋常じゃないことを察したのか、茶髪の女の顔が、みるみるうちに青ざめていくのが分かった。