二人は甘い初恋関係

「俺、不特定多数の女たちのもの…とかじゃねぇから。勝手にみんなの所有物みたいな扱いされんの、マジでムカつく。」


「…………。」


「言っとくけど、俺…小春川以外の女には何の興味もないから。」


「う、うそ……」


信じられない…と言った顔で振り絞るように声を出す茶髪の女に溜め息を零す。


「嘘じゃねぇよ。俺が好きなのは小春川だから。」


目を見開く女たちを冷めた目で睨んだ。


「アンタら、二度と小春川に近付くな。俺に色々と言うのは構わねぇけど、今度…小春川に何か言おうものなら、例え女でも、俺…容赦しねぇからな。」


怒りに満ちた警告。


茶髪の女は目を潤ませる。


「律矢君、今までファンの女の子…大切にしてくれてたのに、なんで…あんな子のこと…。ひっ、ひどいよ…。」


声を震わせると、他の女たちと一緒に保健室から出て行った。


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