二人は甘い初恋関係
ったく、ひどいのは…アンタたちだろ。
「……………。」
いや、一番ひどいのは俺か。
色んな女たちと適当な付き合いをしてきたせいで、こんな事態になったんだし…。
結果、小春川のこと…傷つけたんだから。
後悔の波が押し寄せた。
小春川に会って、謝りたい…。
そう思った時、千景が俺の肩にポンと手をのせた。
「律矢、俺…絆創膏とかの場所だけ分かれば手当ては自分で出来るし、お前は小春ちゃんのところに行けよ。」
「千景…。」
「ごめんな。元を辿れば、俺が律矢に適当な距離感で女子と接したらいい…みたいなこと言ったから、こんなことに…。軽率なアドバイスしたりして、本当…悪かった。」
勢いよく頭を下げる千景。
その姿を見た俺は、千景の頭をパシッと軽く叩いた。
「なんで謝ってんだよ。俺は…今回のことが千景のせいだなんて、一切…思ってねぇ。お前のアドバイスを受け入れることを選択したのは俺だ。」
「律矢…」
「それに、あのアドバイスは…俺のことを考えて言ってくれたものだろ?アドバイスのおかげで女たちが過剰に寄ってくることが減ったのは事実だし。だから、謝ったりすんな。」
フッと笑みを零すと、千景は潤ませた目をゴシゴシと擦った。