二人は甘い初恋関係
「危ねぇな…。まだ“大丈夫”ってカンジじゃなさそうじゃん。」
「す、すみませんっ…」
手首を掴む男の子の手を慌てて振り解いた私は、少し距離をとりたくて男の子から離れる。
どうにも落ち着かなくて視線を泳がせた。
「小春川ってさ……」
少しの沈黙のあと、男の子が口を開く。
変な態度ばかりとってるから、今度こそ…怒る?
男の子の低い声に身構えた。
「もしかして、男が苦手……とか?」
その言葉に、ドクンッと心臓が嫌な音をたてて跳ねる。
鋭い指摘をされた私は、反射的に男の子の顔を見てしまった。
「その反応からすると、図星みたいだな。なんか、そんな気がしたんだ。昨日、小春川が転んで…俺が傍で声を掛けた時、すぐに離れただろ?何となく怯えてるような感じだったし、視線も合うと逸らしてた。今も、そう。あと、話し方も…ぎこちないし。」
私の行動や態度、結構…分かりやすいんだ…。
は、恥ずかしい……。