二人は甘い初恋関係

朝、挨拶した時は…いつも通りの感じに見えたんだけどな…。


急に体調が悪くなったんだろうか…。


「でも、帰り道…小春川さん一人で大丈夫かな…って心配になって、律矢に追いかけてもらおうと思って電話したの。バッグが机の上にあったから、まだ校内にいるんだと思って。」


「そっか…。」


「んで、全然繋がらないから…さっさと日誌を片付けて、私が小春川さんを追いかけようかと……」


「分かった。俺が追いかける。」


佳織の言葉を遮って返事した俺は、机の上のバッグを素早く取って教室を出た。


小春川、どこかで倒れたりしてねぇよな…。


もし、熱があるなら…歩くのだって辛いはずだし…。


不安や心配が心を埋め尽くす。


とにかく、早く行かねぇと…。


少し焦りながら、校舎の中を駆け抜けた。


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