二人は甘い初恋関係
バレンタインの日以来、登下校は一緒にしてないのに、どうして…?
疑問に思って立ち止まってる間に、私の傍までやってきた水城君。
息を切らしながら私を見つめた。
「小春川、具合…大丈夫か?」
「えっ?」
「佳織から体調悪そうだった…って聞いたから。」
もしかして、心配して…わざわざ追いかけて来てくれたの…?
水城君の優しさに、一瞬…嬉しさを感じたものの、すぐに申し訳なさでいっぱいになってしまった。
私、告白を断って…水城君を傷つけたのに、体調のことで心配させちゃうなんて、何やってるんだろう…。
迷惑かけちゃダメじゃん…。
「顔、少し赤いな…。熱…あるんじゃないか?」
「だ、大丈夫だよ…。体調も、それほど悪いわけじゃないし…。」
「だけど、顔色よくないし、家まで送る…。」
「本当に大丈夫…!一人で帰れるから…」
無理やり笑顔を作った後、歩き出した私だけど…
「………っ…」
足元が少しフラついてしまい、バランスを崩す。
“転ぶ”
そう思った瞬間、水城君の胸の中に引き寄せられた。