二人は甘い初恋関係
「大丈夫そうには、見えねぇんだけど…」
「ご、ごめんなさい…。でも、今のは…少し足がフラついただけだから…」
「…………。」
沈黙する水城君。
こんな状態で強がるようなこと言ったから、怒ったのかもしれない…。
何も言えず黙っていると、抱きしめてくれていた水城君が離れる。
そして、私に背を向けてしゃがんだ。
「小春川、乗って?」
「えっ……」
「歩くの辛そうだし、無理しない方がいい…。」
これって、おんぶ…!?
水城君の行動に驚いた私は、慌てて首を横に振った。
「いっ、いいよいいよ…。水城君に多大な迷惑が…。」
「俺、これが迷惑だなんて全く思ってないから。それに、具合悪い時は…遠慮なく周りに頼ればいいんだよ…。」
水城君はフワリと優しく笑う。
そんな温かみ溢れる笑顔を見せられたら、断る方が、逆に申し訳なく感じてしまって…
「そ、それじゃあ……お願いします…。」
私は、水城君の背中に体を預けた。