二人は甘い初恋関係
「小春川、寒気とかある?」
「うん、少し……。でも、水城君の背中…温かいから大丈夫…。」
「そ、そっか…。」
少し照れくさそうに答える水城君。
足早に歩き始めた。
ほのかに漂う爽やかな香り、シャンプー…かな?
なんだか、水城君に包み込まれているみたいでドキドキする…。
心臓の音が伝わっちゃいそう…。
そう意識するだけでも、ますます鼓動が速くなる一方で…。
落ち着かなくちゃ…と心に言い聞かせているうちに、マンションまで辿り着いてしまった。
「小春川、鍵…どこ?」
「あっ、バッグの中だけど…私が開けるから大丈夫だよ…。」
部屋の前までおぶって来てくれた水城君。
この態勢で鍵を開けるのは大変だと思った私は、水城君に下ろしてもらった後、自分で鍵を開けた。
「今日は、ありがとう…。えっと、気をつけて帰ってね…。」
「………。」
ぎこちなくお礼を言うと、水城君は何も答えないまま私を見つめる。
不思議に思っていた時、水城君の手が私のおでこに触れた。