二人は甘い初恋関係
「何から何まで、ごめんね…。」
「そんなの、気にすんな。あ、おでこ…冷やした方が気持ちいいよな?冷却シートとかある?」
「多分、リビングの救急箱の中に…。でも、このままでも平気…。それより、風邪…うつったりしたら大変だし、水城君は…帰って?」
「ああ。でも、小春川が心配だし…もう少し傍にいるよ。」
柔らかな瞳が私を映す。
ドクン…と心臓が波打った。
私、水城君とは…もう友達じゃないのに、ドキドキしてばかり。
“好き”の気持ち、早く消さなきゃ…。
不釣り合いな私が、これ以上…水城君の優しさに甘えていいわけない…。
心の中で頷いた私。
このまま大人しく休んでいれば大丈夫なところを主張して、帰ってもらおうと口を開きかけた時…。
「小春川、ごめんな。」
悲しげな表情と共に、水城君の口から零れた言葉。
どうして、水城君が謝るの…?
疑問符を頭に浮かべながら、瞬きを繰り返した。