二人は甘い初恋関係
「泣かせて、ごめんな。具合悪いのに、俺…色々と話したりしちまったし。ゆっくり休みたいよな?」
「そ、そんな……水城君のせいじゃな…」
途中まで言ったところで、水城君の指が目元の涙を優しく拭った。
「小春川は優しいな。」
笑顔を浮かべる水城君にドクンと心臓が跳ね上がる。
触れられた目元が、とても熱く感じた。
「俺、そろそろ帰るよ。じゃなきゃ、小春川…休めないと思うし…。」
「うん…。」
部屋の入り口へと歩いていく水城君。
最後に、もう一度…きちんとお礼を言わなくちゃ…。
「あ、あのっ…水城君。」
「ん?」
「今日は、本当に…ありがとう。」
振り向いた水城君は、少し照れくさそうな笑みを見せて、静かに部屋を出て行く。
その姿を見届けた後、自然と頬が緩んだ。
これからは、水城君への気持ち…消そうだなんて絶対に思ったりしない。
だって、今…こんなにも心が、温かい喜びに包まれているんだから…。