二人は甘い初恋関係

「でも、これから先…ずっと男の子と接しないまま過ごすなんてこと、難しいでしょ?」


「そ、そうですね…。」


「だから、少しずつ男の子と関わるようにしていった方がいいんじゃないかな…って思ってたの…。そんな時に転校することになってね…。美羽は嫌がってたんだけど、私は…いい機会になるんじゃないかと思ったのよ…。だって、水城君みたいに優しくて素敵な男の子もいっぱいいるんだから。」


ニコリと微笑む小春川のお母さん。


そんな風に言ってもらうのは…照れくさい。


顔が熱くなってしまった。


「あの、どうして美羽と友達になってくれたの…?」


「えっと、色々あって…小春川さんが男子に対する苦手意識を克服したい…っていうのを聞いたんです。それで、友達になれば…男子にも慣れることが出来るんじゃないかと思って…。」


小春川に対する罪悪感から、友達になることを提案したんだよな。


男が苦手なフリして、俺に近付こうとしてるんじゃないかって、歪んだ見方をしてしまったから。

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