二人は甘い初恋関係
「なんだよ、その変な唸り声は。」
『いや、なんかさぁ…律矢の声のトーン、ちょっと明るくない?』
「は!?」
『小春川さんの体調とか考えると、元気なくて沈んでるのかな…って思ってたから、なんだか意外でさ…。もしかして、いいことでもあった?』
コイツ、恐ろしいほど鋭い…。
イトコで小さい頃からの付き合いとは言え、声だけで見抜かれちまうのか…。
佳織には、嘘だの誤魔化しだのは通用しねぇな。
そう察した俺は、正直に説明することに。
バレンタインの日、俺の告白を本当は嬉しいと思ってくれていた小春川のことを話すと、佳織はクスッと笑った。
『律矢ってば、相当…嬉しいんだね。声に滲み出てるもん。』
「そりゃ、嬉しいに決まってんだろ。バレンタインの日、小春川に“ごめんなさい”って言われてフラれたと思ってたからさ…。」
今は…あの時の俺に、今の気持ちを教えてやりたいぐらいだし…。