二人は甘い初恋関係
「やっぱり、小春川だ…。」
「みっ、水城君…。」
驚いた様子で駆け寄って来る水城君に、私もビックリして瞬きを繰り返した。
だって、まさか…ここでバッタリ会うなんて思ってもみなかったから…。
「風邪、大丈夫…?もう、具合…良くなった?」
真っ先に、私の体調を心配してくれる水城君。
その温かい優しさに、私は笑顔で口を開いた。
「うん、今日は熱もスッカリ下がって体調もほぼ回復したよ…。明日から、学校…行くんだ。」
「そっか…。良かった…。」
ホッとした笑顔に、胸がドキン…と高鳴る。
そうだ、あらためて…お礼言わなくちゃ。
「水城君、体調悪くなったあの日…家までおんぶしてくれたり、それから…授業のノートや配られたプリントを届けてもらったり…。本当にありがとう…。感謝しても、しきれない…。」
「そんなの、気にすんなよ。大したことしたわけじゃないんだからさ…。」
「ううん、そんなことないよ…!私、すごく嬉しかった…。ありがとう…。」
お辞儀をすると、水城君は少し照れくさそうに頭を掻いた。