二人は甘い初恋関係
あ……。
舞い上がってる勢いで手を握っちまったけど、小春川…困惑してるよな。
“突然、どうして?”とか思ってるに違いない。
「手、急に握ったりしてごめんな。」
苦笑いしながら手を離そうとした時、小春川は小さな力でキュッと握り返した。
「だ、大丈夫…。」
「えっ…」
「こっ、このままでいいよ…。」
このまま…って、手を離さなくてもいいってことだよな…?
思いも寄らぬ小春川の返答に驚いた俺は、心の中で再確認してしまった。
こんなにドキドキして、浮かれるぐらいの嬉しさで満たされた朝が、今まであっただろうか…。
恥ずかしそうに俯きがちに歩く小春川の横顔を見ながら、笑みが零れた。
やっぱり違う。
全然違う。
小春川が傍に居るだけで、周りの景色はガラリと変わる。
こんなに綺麗だったのか…と思うほど眩しく輝く。
“好き”って感情がもたらす影響は、凄まじいものがあるな…。