二人は甘い初恋関係
高鳴る鼓動でソワソワする中、水城君が日誌を書き終わるのを待ち続ける。
気付けば、私と水城君以外…教室に誰もいなくなっていた。
二人きり…。
静寂に包まれる空間。
周りの音が少なくなれば、自ずと意識してしまう自分の心臓の音。
席が離れていても、水城君に聞こえちゃいそうだよ…。
胸元をさすっていた、その時。
「よし、終わり…!」
教室に響いた声。
そちらに視線を向けると、日誌を手にして立ち上がる水城君の姿が目に映った。
「小春川、待たせてごめんな。」
「ううん、大丈夫…。」
「思ったより時間が掛かっちまった…。」
苦笑いをする水城君。
「とりあえず、職員室に日誌…出して来るよ。もうちょっとだけ、待ってて?」
教室から出て行こうとする水城君を目で追いながら、私は勢いよく席から立ち上がった。
「み、水城君っ…!!」