二人は甘い初恋関係

だったら、卑屈にならずに…素直な気持ちに従って、想いを伝えるのみ…。


初めて恋をした、大切な男の子に…。


私は大きく息を吸い込んだ。


「水城君っ、告白の返事をもう一度…言い直させて下さい…。」


「えっ…」


「改めて、きちんと返事をしたいので…。」


いきなりのお願いに、瞬きを繰り返す水城君。


でも、すぐに頷いてくれた。


「いいよ…。」


優しい笑顔で答えてくれた水城君に、“ありがとう”とお礼を言った私。


震える手でギュッと胸元を掴む。


心臓は、バクバクと大きな音で暴れてる。


今まで経験したことのない緊張に飲み込まれてしまいそう…。


でも、それに負けずに伝えなきゃ…。


新しい一歩を踏み出すんだ…。




「私、水城君が好きですっ…。水城君の彼女に、なりたいです…。あの、至らないところもたくさんある私ですけど、宜しくお願いします…。」


私はガバッと頭を下げた。


< 315 / 322 >

この作品をシェア

pagetop