二人は甘い初恋関係

声、震えちゃった…。


若干、上擦って変なイントネーションになったところもあったし…。


でも言えた。


心を込めて私の気持ちを伝えた。


「…………。」


でも、水城君からは何も言葉が返ってこない。


私、気に障るようなことを言っちゃったのかな…。


途端に不安でざわつき始める心。


おそるおそる顔を上げた瞬間、私の体は水城君に抱きしめられた。


「ごめん、反応…遅くて。告白の返事で、小春川に“好きです”ってストレートに告白されるとは思ってなかったから…。嬉しさのあまり、ちょっと固まってた。」


「えっ…」


「ありがとう…。俺、すげぇ嬉しい。好きな人に“好き”って言ってもらえんのは、こんなにも嬉しいものなんだな…。」


そっか…。


すぐに反応が出来ないぐらい喜んでくれてたんだ…。


私も、嬉しい…。


温かい水城君の胸の中。


降ってきた言葉に笑みが零れた。


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