二人は甘い初恋関係
あれ…?
今、心臓がドクンッ…て跳ねた。
なんだろう、この感覚。
前例がなくて戸惑っていると、水城君が顔を近付けてきた。
「どうした?もしかして、また調子…悪くなってきたのか?」
心配そうな表情で見つめる水城君から少し距離をとった私。
首をフルフルと左右に振った。
「体調は、大丈夫です。何でもないので気にしないで下さい…。」
「本当に?」
「は、はい…。あっ、それより…もしも協力が面倒になったら、いつでも言って下さい…。」
「了解。でも、俺から言い出したことなんだし、途中で勝手に協力を放棄するなんてこと、しないけどな。」
苦笑いした水城君は、昇降口の壁に掲げられている時計に視線を向けた。
「あ、じゃあ…俺は用事あるから、そろそろ行くよ。」
「ごっ、ごめんなさい…。私が引き留めたりしたせいで…」
「別に小春川が悪いわけじゃないし、謝らなくていいから…。じゃあな。」
昇降口を出て行く水城君。
その後ろ姿を見ていると、突然…水城君が立ち止まって、こちらに振り向いた。