二人は甘い初恋関係
今の、なんだ?
行動の意味が分からず、頭に疑問符を浮かべる。
その間にも、ゆっくりと俺から離れる小春川。
おいおい、そんなにベッド脇に移動したら落ちるじゃねぇか…。
ハラハラしていた矢先、小春川は目眩がしたのか、クラリと体が傾く。
俺は咄嗟に小春川の細い手首を掴むと、自分の方へと引き寄せる。
フワッと甘い香りが鼻を掠めた。
香水…?
でも、キツい香りじゃなくて…ほのかに香る感じだな…。
俺の周りに近付いてくる女たちにも香水つけてるヤツ多いけど、プンプン匂うぐらいキツい女もいれば、甘過ぎて気分悪くなるような匂いの女もいる。
そんな女たちに比べると、こういう甘い香りは…嫌いじゃない。
「危ねぇな…。まだ“大丈夫”ってカンジじゃなさそうじゃん。」
手首を掴んだままで言うと、小春川は謝りながら、慌てた様子で俺の手を振りほどく。
そして、また俺から少し離れた。