二人は甘い初恋関係

佳織に説明すると、少し不思議そうな顔をしながらも快諾してくれた。


もちろん、佳織だけでなく小春川の隣の席の川村やクラスのヤツらにも了解を得て。


一応、小春川が男が苦手だ…という理由は伏せておいた。


例え嘘だとしても、本人の知らないところで勝手にバラすのもどうかと思ったから。


授業は淡々と過ぎていき、放課後。


小春川が保健室から戻って来て、佳織が席に案内する。


さあ、どんな反応する?


自分の席で友達と話をしつつ、小春川の方にチラリと視線を移した。


あ……。


なんか、ホッとしたような表情してる…。


マジで安心してるんだろうか…。


ジッとその顔を見ていると、佳織が不意に俺に視線を向けてきたから、すぐに逸らした。


危ねぇ…。


ジロジロ見てたら、後で佳織に何か文句言われそうだし、あまり見ないようにしねぇと。


…とは言いながら、少し聞こえてくる佳織の声に聞き耳をたてる。


どうやら、小春川に隣の席が替わったことを話しているようだ。


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