二人は甘い初恋関係
「小春川、いいよな?」
覗き込むようにして見つめられた私は、驚きのあまり、ビクッと肩が跳ねた。
ここで断るのも変だよね…。
と、友達…なんだし。
「うん、いっ…いいよ。」
上擦る声で答えると、水城君はスッと立ち上がる。
そして、躊躇うことなく私の隣に腰を下ろした。
「……っ!?」
水城君の腕が私の腕と少し触れ合った瞬間、ビックリしてしまった私は、お弁当箱を持ったまま慌てて立ち上がった。
「小春川、驚き過ぎ。」
「だって、まさか私の横に座ると思ってなかったから…。」
ゆったりとした造りのベンチ。
眞田さんの隣にも、座れるスペースは有るのに……。
「ここに座る方が、小春川の為にも…いいだろ?」
「えっ…?」
「少しずつ慣れるキッカケ作らねぇと、なかなか克服出来ねぇじゃん。」
あ…。
水城君、私のことを考えて…わざわざ隣に座ってくれたんだ…。