二人は甘い初恋関係
「そ、そうだね…。」


水城君の言うとおりだ。


苦手意識をなくしたいと思ってるなら、頑張って一歩ずつ踏み出していかないと…!


「小春川さん、ガチガチだけど大丈夫?無理して律矢の隣に座らなくてもいいんだよ?苦手な事を克服するのって、なかなか難しいんだからさ…。」


「ありがとう…。でも、せっかく水城君が協力してくれてるから、頑張るよ…。」


心配してくれてる眞田さんにお礼を言うと、私は大きく息を吸い込んだ。


こういうのは、ゆっくり座るよりも、思い切ってササッと素早く座る方がいいよね…。


よしっ…!


心の中で合図をして、一気にベンチに腰を下ろす私。


さすがに水城君と触れ合うほど近くには座ることは出来なくて、眞田さん寄りに座った。


「少し俺との距離が空いてるけど、上出来じゃん。そのうち、自然に座れるようになるよ。」


フッと笑う水城君。


その優しい笑顔と言葉に、心臓がドクン…と大きく揺れた。



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