二人は甘い初恋関係

わっ…。
今みたいな感覚、この前も感じた…。


何だろう、これ…。


不思議な気持ちに戸惑っていると、水城君は空を見上げた。


「中庭で昼飯とか、寒そうだなと思ってたけど、意外と日当たりよくて暖かいな。」


「あっ、うん…。」


「外で食べんのも、結構いいもんだな。」


「うん…。」


頷きながら答えていると、水城君は空を見ていた視線を再び私に向ける。


「小春川、俺の話…聞いてる?」


真っ直ぐな眼差しに、ビクリと肩が上がった。


「うん、きっ…聞いてるよ…。」


聞いてるけど、緊張しちゃって“うん”ぐらいしか言葉が出て来ない…。


他の女の子たちって、どうやって男の子と会話を続けるんだろう…?


言葉のキャッチボール、女の子となら普通に出来るのにな…。


< 85 / 322 >

この作品をシェア

pagetop