二人は甘い初恋関係

無意識の意識《律矢side》

今まで、俺にとって…女の笑顔はイラつくものでしかなかった。


ヘラヘラ笑ってんじゃねぇよ…。


いつも、そう思ってた。


それなのに、どうしてあの時…小春川の笑顔を“可愛い”と思ったんだろう…?


中庭で過ごした昼休み。


楽しそうに笑っていた小春川の姿が頭の中に浮かぶ。


女に対して“可愛い”という感情を抱いたことがないだけに、戸惑いが大きい。


どうしちまったんだよ、俺。


「…………。」


疑問符を浮かべていた時、背中をバシッと叩かれる。


直ぐに振り向くと、佳織が不思議そうな顔で俺を見ていた。


「ちょっと、何ボーッとしてんのよ。とっくに授業が終わって放課後になってるわよ?」


その言葉にハッとして教室を見回す。


クラスの奴らが次々と帰り始めている姿が目に映った。


いつの間に授業終わったんだろうか。


全然、気付かなかった…。


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