二人は甘い初恋関係
先生と一緒にやって来た1年1組の教室。
中に入ると、先生はスタスタと歩いて行き、一つの机の前で立ち止まった。
「ここが、明日から…小春川さんの席よ!」
「えっ…」
その席は、教室のほぼ真ん中。
一番後ろの席とかかなぁ…なんて、何となく想像していただけに、ビックリしてしまった。
「クラスのみんなで話し合った結果、この席がいいんじゃないか…ってことになったの。ここなら、みんなの視界にも入りやすくて、顔も名前も…早く覚えられるでしょ?」
「は、はい…。」
そんなことまで考えてくれたんだ…。
ジワリと心が熱くなるのを感じた。
嬉しいけど、みんなからの視線が集中して注がれそうで、恥ずかしいな…。
明日の光景を思い浮かべるだけで赤面してしまう。
パタパタと手で顔を仰いでいると、廊下の方から、こちらに近付いてくる足音が聞こえてきた。