二人は甘い初恋関係

先生と一緒にやって来た1年1組の教室。


中に入ると、先生はスタスタと歩いて行き、一つの机の前で立ち止まった。


「ここが、明日から…小春川さんの席よ!」


「えっ…」


その席は、教室のほぼ真ん中。


一番後ろの席とかかなぁ…なんて、何となく想像していただけに、ビックリしてしまった。


「クラスのみんなで話し合った結果、この席がいいんじゃないか…ってことになったの。ここなら、みんなの視界にも入りやすくて、顔も名前も…早く覚えられるでしょ?」


「は、はい…。」


そんなことまで考えてくれたんだ…。


ジワリと心が熱くなるのを感じた。


嬉しいけど、みんなからの視線が集中して注がれそうで、恥ずかしいな…。


明日の光景を思い浮かべるだけで赤面してしまう。


パタパタと手で顔を仰いでいると、廊下の方から、こちらに近付いてくる足音が聞こえてきた。



< 9 / 322 >

この作品をシェア

pagetop