二人は甘い初恋関係
「あっ、そう。」
素っ気なく返す。
話って、このことか…。
わざわざ屋上まで来て話さなくてもいいようなか気もするんだが。
心の中で愚痴を零していると、佳織はフッと笑った。
「だって、律矢の…小春川さんに対する態度と、その他の女子に対する態度を比較すると、全然違うんだもん…。」
「そんなに違うか?」
「違うわよ!毎朝、律矢から小春川さんのところに行って挨拶してるし、さっきのお昼休みの時だって、小春川さんの隣にわざわざ座って、しかも…律矢から話し掛けてたじゃん。表情だって、普段…他の女子に向ける冷めた愛想笑いとかじゃなくて、穏やかで温かみのある笑顔を見せてたし。」
…まあ、言われてみれば。
コイツ、鋭い…。
少し苦笑してしまった。
「そりゃ、多少…違うかもな。俺、小春川の友達なわけだし。」
「っていうか、そもそも友達になること自体が驚きだよ!律矢が女友達を作るなんて初めてじゃん。」
佳織は興味深そうに俺を見る。