二人は甘い初恋関係
「えっ…」
聞き覚えのある声に顔を上げる。
すると、私のイスの傍に立っている水城君の姿が目に映った。
「わっ、水城君…!?」
ビックリして上擦った声を出してしまった私は、慌てて口元を手で覆う。
いけない、いけない…。
図書室なんだから、静かにしなくちゃ…。
そう心の中で言い聞かせた。
「わ、私は…ちょっと勉強を…。水城君は…どうしたの?」
「あー、俺は……えっと、借りたい本があって来てみたんだけど、貸出中だった…っていうか、まあ…そんなところ。」
「そ、そうなんだ…。」
水城君、ちょっと…しどろもどろしてるような…。
いきなり質問しちゃったから、ビックリしたのかもしれない。
あぁ、やっぱり男の子との会話のキャッチボール、上手くいかないなぁ…。
どんよりと沈んでいると、水城君は私の隣のイスにスッと腰を下ろした。