大好きでした。

待ち合わせ

「明音。」

明音はいつかみたいに
振り返りはしない。

「…話したいことあるの。
土曜あいてる?」

明音立ち止まって聞いていてくれた。
それだけで嬉しいと思った。

「午前、部活だから。」

断られた?

でもちゃんと話したい。
引き下がれない。

「私が、そっちまで行く。
午後、明音の家の近くの神社で待ってる。
待ってるから。」

どうしても泣き声になってしまう。
泣きたくなんかないのに。

「部活で疲れてるかもしれないから
無理。」

断られた。

それでも。

「うん、でも、きてくれるの、待ってるから。」

明音は
きてくれると思った。
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